┌──────────────────────────────────┐
│   「いま、この人が最高に面白い! 中島孝志の感動!人間塾」   │
│      ホームページ http://www.keymannet.co.jp/        │
│                                  │
└──────────────────────────────────┘

こんにちはこれから紹介する内容は以下のとおり。
(1)今回のキーマンは「新井隆司さん」(ビックカメラ社長)
(2)私の大好きな本「沈まぬ太陽」です。


▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

(1)「この人に感動!」

「いま、この人が最高に面白い! 中島孝志の感動!人間塾」

前回に引き続き、この人、新井隆司さん。
ビックカメラの創業者ですね。

ビックカメラは「ビック」であって、
「ビッグ」ではありません。
なぜか、知ってる?
知らない。
だから、今回はそのお話をしましょう。

元々、彼は群馬県高崎市は薬局の次男坊として生まれました。
1946年5月のことです。

子供の頃から暴れん坊。
そんな彼がカメラと縁ができたのは、亡き母親の導きでした。

というのも、高1のときに母親の写真を複写したのです。
大きく引き伸ばしたいけれど、どの写真館でもできなかった。
「自分でやるしかない」
けど、引き伸ばせば伸ばすほど輪郭がボケる。
一心不乱に繰り返しエアブラシをかけ引き伸ばす。
何度も何度も繰り返すと、ようやく再現できました。

きっと、世の中には自分と同じ思いの人がいるに違いない。
近所の葬儀店を回って仏壇に飾る写真複製を手がけます。

売りはスピードです。
「今日預かれば翌朝までには仕上げます」
いまなら、デジタル技術でできます。もちろん、当時は手作業。
徹夜で取り組んだからこそできたんですね。

高校を卒業すると就職するのが普通ですけど、
こうやって手広く仕事をしていたからサラリーマンになる気がしない。
やはり、起業家の道を選ぶのです。

「東京で仕事がしたい。自分の力を試してみたい」

目をつけたのは薬品業でした。家業でもありますしね。
業界知識はないけど、持ち前のバイタリティをフル動員。
とうとう、現金500万円を元手に大塚駅前に薬店舗を構えます。
時に1966年。
上京してからわずか2年。
なんと、20歳の時ですよ。

扱い薬品の小売値は平均5割引。
「3割、4割引は当たり前!」のビックカメラよりもさらに安い。
運転資金は少ないから、たくさんのお客を集めなければならない。
薄利多売の高回転率経営をしなければ倒産してしまいます。

商品は5割引だから、黙っていても売れる。
となると、重要なことは宣伝です。1人でも多くのお客を集める。

金がなければ知恵を出せ。
ライトバンに手製看板をとりつけ、商圏内を徹底的にまわる。
昼は店で働き、仕入れに走り、夜はパンフレットを配って歩く。
必死の努力を続けた結果、店は予想を上まわる大繁盛。
本邦初の薬専門の安売り店。平均5割引ですから当たらないはずはない。
日商150万円をコンスタントに売り上げます。
とうとう小売店で日本1を記録します。

しかし、好事魔多し。
高崎に住む父親が病気で倒れます。
そこで、順調な薬店を他人に譲って戻ります。
100万円で高崎DPセンターを設立。
レジャーに結びつく産業は必ず伸びるという確信があったからです。

開店から3日間は売上僅か700円。
しかし、必ずヒットする確信がありました。
たとえ新参者でも、消費者が喜ぶサービスさえすればヒットする。
これは薬店経営の経験から導き出された方程式です。

もちろん、得意の安売りも織り込んでます。
店舗の存在が知られだした4日目からブレイク。
注文殺到。
開店1カ月目で、すでに初期投資を回収。
翌年末には群馬県の主要地に30店舗に拡大。

仕事が軌道に乗ると、好奇心の塊ですから欧米へと視察旅行。

「若い時には借金してでも世界を回った方がいい。
同じ地球に住んでいて、どんな人が何をやっているのかを知る。
これほど楽しいことはない」

ビックカメラという社名もこの頃、閃いたものです。
バリ島を旅している間、現地の人と椰子の木登り競争をした。
彼らは子どもの頃からしょっちゅう登っている。
しかし、新井さんは初体験。
けど、この勝負に彼は勝ってしまう。さすが元体操部。

「ビック、ビック!」

ビックとは現地語で「すごい!」「偉大だ!」という感嘆詞。
「ビッグではなくビックか・・・
よし、いつの日か、このビックを店名にしてやるぞ」

こうして、ビックカメラは生まれたのです。

(2)「この本に感動!」

フジテレビの『白い巨塔』は大ヒットしましたね。
特別編集編まで制作されるとか。
『不毛地帯』『華麗なる一族』の山崎豊子さん原作です。
 
私が薦めたいのは『沈まぬ太陽』(全五巻)です。

航空会社を舞台にしたロマンと非情の小説です。

人間には2種類いることがよくわかります。
1つは自分よりも周囲の人々を大切に考える人。
もう1つは、周囲のことより自分の利益のみを考える人です。
 
主人公の恩地元は乞われて労働組合委員長に就任します。
すべてはここからはじまりました。

組合員のために労働交渉をすることが上層部には許せない。
なぜなら、彼が就任するまでは御用組合ですから、経営者の言いなり。
委員長も出世の階段として委員長を考えていました。
銀行の組合と同じですね。

ところが、首相搭乗機をストで飛ばせなくしたり、官僚出身の役員、
政府に頭が上がらない経営者ばかりの会社では責任問題に発展します。
だから、執拗に主人公を排除しはじめます。

組合副委員長と前委員長の裏切り。
彼らは組合員を捨てることで、その後もどんどん昇進していきます。

逆に、恩地は出世街道から外れるどころか、パキスタン、イラン、
ケニアへと左遷されます。
この間、10年間。
家族はバラバラになり、実母の死に目にも会えない仕打ち。

そうこうする中、利益至上主義のこの航空会社では大事件が発生します。
飛行機墜落です。

責任逃れをし、保身ばかり図る経営陣。
その中で遺族と対話を続け、なんとか信頼を得ていく恩地。

再建者として火中の栗を拾う会長に見いだされ、恩地は本社にカムバックします。
しかし、その会長も政治家と官僚によって、志半ばで退任させられてしまう。

ロマンに生きる人間もいる。
また、欲得のために周囲の人間を利用するだけ利用する人もいる。

この小説のモデルとなった航空会社の実名は
検索すればすぐに判明するでしょう。
まだ、すったもんだが繰り返されているのです。
山崎豊子さんの原作についても、訴訟しているとか。
会社人間もここまで来ると、悲劇を通り越して喜劇になりそうです。


ホームページは3.22に更新しています。
「価値ある情報」「通勤快読」をぜひお読み下さい。
URL:http://www.keymannet.co.jp/ 


▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

配信停止はこちらからお願いします。
http://www.keymannet.co.jp/ 画面左下

キーマンネットワーク 代表幹事 中島孝志
URL: http://www.keymannet.co.jp/

△ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ △